こんにちは!
お、お久しぶりです・・
久々すぎでしょ。
もう書かないのかと思ったよ。
書きたいことも、やる気もあるんだけど、
何からやろうと考えているうちに、
時間だけが過ぎてしまいました。すみません。
みなさま、暑い毎日ですが、お元気ですか?
とりあえず!
『お勧めの楽譜』カテゴリーが、全然進んでいなかったので、
これから少しずつご紹介していこうと思います。
まずは、オーボエの練習曲(エチュード)の中から、超定番、王道エチュードのご紹介です!
初級の王道エチュード『HINKE』
現在、二種類の出版社から出ています。
昔は、ペータース版(解説がドイツ語と英語のみ)しかありませんでしたが、
現在は全音からも出ていて、こちらは日本語の解説があり、価格もお手頃です。
*元祖のペータース版。解説は、英語とドイツ語のみで、日本語はありません。
*日本語版はこちらです。
『HINKE』は、
オーボエ吹きなら持っていたい、定番エチュードです。
昔から、みんなに愛されるエチュード『HINKE』(ヒンケ)。
長く愛されるのにはちゃんと理由があると思います。
- 基本要素が詰まっていて、本当に学べることが多い!
- いい曲がたくさん入っている!
丁寧に取り組むほど、たくさんのことが学べます。
是非とも練習してみてほしいエチュードです。
それでは、『HINKE』の内容について、
少し詳しくご紹介しますね。
最初の方は、2〜4段程度のごく短い曲から始まります。
休符もしっかりあるので、吐く、を意識しながら、曲の中でブレスコントロールの練習ができますね。
また、アーティキュレーションのかかり方に注目する曲も多くあります。
アーティキュレーションがどういう風にかかっているかによって、フレーズの表現の仕方も変化します。楽譜をよくみて、丁寧に表現したいですね。
それから、スタッカートやテヌート、ダイナミック(強弱)などの練習ができる曲が続きます。
ダイナミックをしっかり表現するのは、オーボエではなかなか難しいですよね。
基礎練のロングトーンなどに、クレッシェンドやディクレッシェンドの練習を取り入れつつ、曲の中で強弱をしっかり付けられるように、練習すると良いです。
タンギング、スラー、スタッカートやテヌート、そして強弱。
これらを練習した後、
今度は様々な曲想の、短い曲が出てきます。
軽快な曲、しっとりとした曲、レガートが難しい指遣いの曲、日本人が苦手な三拍子の曲・・
オーボエの基礎的な奏法や、息遣い、多様な表現方法を、短いエチュードを通して練習できます。
一つ一つの曲の雰囲気をそれぞれ楽しみながら、表現を工夫してみましょう。
そして後半は、音階と、その調の曲がセットになった形の楽譜となっています。
調号がシャープ、フラットそれぞれ6つの調まで、長調と短調の両方載っているので、
全部で26個の音階と曲が紹介されています。
この後半の音階と曲の練習では、きれいな曲がたくさん入っています。
調号が増えてくると、譜読みが大変になってくると思いますが、一旦譜読みが出来てしまえば、どれも素直で吹きやすいメロディです。
音階をマスターしつつ、それぞれの曲の調性を感じながら、吹いていきましょう。
『HINKE』は、私もたまに吹きたくなって、パラパラとページをめくっては、吹いてみたりします。
オーボエの基本奏法を身につけながら、いろいろな雰囲気の曲を楽しめる『HINKE』!
まだ吹いてみたことがない方は、是非取り組んでみてください!
中級の王道エチュード『Wiedemann』
こちらも、元祖のブライトコプフ版と、全音の二種類がありますが、『HINKE』のような文章での解説などはありませので、両者に大きな違いはないでしょう。
『HINKE』の次に取り組むエチュードとして、王道なのが、『Wiedemann』(ヴィーデマン)です。
全部で45曲の練習曲が載っています。
『HINKE』と比べて、一曲の長さが倍くらいになり、難易度的にも高くなります。
それでも、長めの曲で見開き半分の長さなので、ヒンケの次に取り組むエチュードとしてはちょうど良いと思います。
内容も、テクニックに偏らず、『HINKE』の延長にあるような感じです。
ステップアップしている点としては、テクニックの面から見ると、
- 細かくアーティキュレーションの付いた速いパッセージ
- 装飾音、トリル、多様なリズム
などが挙げられますが、
注目は、表現の面です。
一曲の中で、テンポ表示や曲想、調性などが、コロコロ変わります。
例えば、con fuocoで力強く始まり、突如 dolceが出てきて曲の雰囲気が変わる曲。
Andantinoで始まり、poco a poco string.→ piu animato → meno を経て、Tempo I
など、軸となるテンポをしっかりわかっていないと、訳がわからなくなるような曲もあります。
音楽用語もたくさん出てくるので、勉強にもなりますね。
楽譜に書かれているさまざまなことを良く読んで、どういうふうに表現するかを考え、
音楽作りをしていく必要があります。
楽譜をしっかりと読み込み、
- 吹き方のニュアンスや、音色の変化のつけ方
- アゴーギグのつけ方
を工夫する。
”練習曲”ではありますが、
『 Wiedemann』は、音楽的に動きのある曲が多く入っています。
自分なりに、どう表現するのか、研究しながら吹けると良いですね。
余談ですが、
この『Wiedemann』は、私が高校生だった当初、芸大入試の一次の試験曲でした。
この45曲の中から、当日指定で、どれがくるかわからない、というものでした。
だから、受験生は、この『Wiedemann』のページをボロボロになるくらい何度もめくって、日々練習していました。
練習しすぎて嫌になり、
破って投げ捨てた知り合いもいました(苦笑)
思い出深い一冊なんだね・・
そういうわけで、私の手元にある一冊の『Wiedemann』は、当時の猛烈な書き込みだらけです。(メモ魔だったようですね・・)
引用として写真をたくさん載せるのもちょっと恥ずかしいのですが、
楽譜の感じをがわかるように、少しだけ載せますね。
汚くて申し訳ないですが・・
このエチュードを一通りこなせたら、
オーボエ・ソナタや、オーボエ協奏曲などにも十分挑戦できると思います。
楽曲の中で必要とされる要素が、このエチュードの中でもふんだんに取り入れられています。
『HINKE』で、だいぶオーボエが上手くなったよ!という人は、
次はこの『Wiedemann』に挑戦して、さらにレベルアップを目指しませんか?!
今回は、初級、中級の王道オーボエ練習曲をご紹介しました。
次回は、オーボエを始めたばかりの超初心者の方へ向けて、
『HINKE』の前に取り組むテキストとして、おすすめのものをご紹介したいと思います。
お楽しみに!
次の記事書きました!こちらです。