こんにちは!
今日は、ドイツでの思い出話をひとつお届けします。
本番前や、本番中に、思いがけないことが起きて、焦った経験、
みなさんはありますか?
私は、たくさんあるのですが、その中でも印象に残ってるのは、、
ドイツに留学中、教会での演奏のお仕事を、よくしていたのですが、
ある、教会での演奏会、本番中のお話です。
教会では、ミサ曲などを演奏することが多く、
その日も、合唱と、歌のソリストと、オーケストラという編成でした。
なんの曲だったかは覚えていないのですが、
歌のソリストと絡んで、オーボエのソロがある曲でした。
本番が始まり、順調に演奏が続いて行き、
オーボエがしばしの休みの時、ふと楽器を見ると、
第3オクターブのところに、水が溜まっています。
次に音を出すときは、ソプラノ歌手と絡むオーボエのソロです。
これは、掃除しといたほうがいいよね!
私は、第3オクターブキーから滲み出ている水を取ろうと、クリーニングペーパーを挟みました。
すると・・
キーの下に挟んだクリーニングペーパーが、一気にふやけて、
抜こうとした際に、破れてしまったのです・・!
ご存知の通り、第3オクターブキーは、キーを押しても、ほんの少ししか開きません。
キーの下に挟まった紙を取ろうとしましたが、上手くいかず、
キーの下に張り付いてぐちゃぐちゃになっています。
どうしよう・・
これでは、まともに音が出ないかも・・
でも、次はオーボエのソロ。ソリストの合いの手。
なんとしてでも吹かなくてはいけません。
焦ってる私にすぐに気づいたのは、隣に座っているセカンドオーボエの女性。
え??という表情で、私の楽器を見ています。
ヤバイ・・という空気を彼女も共有してくれました。
え、どうする、どうするの?
(・・・吹く?これ吹く?)という彼女の気持ちと
(それ・・、貸して・・!)という私の気持ちが行き交い、
私は彼女のオーボエを受け取って、自分のリードを挿しました。
その時は、それ以外に方法がなかったですね。
悩んでいる暇もなかったし、とっさの判断でした。
とにかく吹かなきゃ!っていう使命感で、緊張する暇もなかったです。
本番中に、いきなり人の楽器で、ソロを吹く、、って、
あまりないですよねえ。。
私も、こんな経験は、この時の一回きりです。
でも、リードが変わるよりかは、マシですね!
この時のソロも、どういう出来だったかはわかりませんが、
とりあえず、出るべきところで、オーボエの音が出た。
みんなに多大な迷惑をかけずに済んだ。。
焦ったのは私たちオーボエの二人だけで、他の誰にも気づかれませんでした。たぶん・・
この経験の後から、
私は、第3オクターブキーにペーパーを挟むときは、
ペーパーを折って、何重かにし、強度を持たせてから挟むようにしています。
分厚すぎると挟まらないので、
挟めるし、破れない厚さにしています!笑
みなさんも、本番中の第3オクターブキーの水抜きには、ご注意を!
ドイツでの、思い出話でした。
それでは・・