こんにちは!
今回は、オーボエのリードの選び方について、楽器の習熟度別にご紹介したいと思います。
まずは、オーボエを始めて間もない初心者のみなさんに向けた、
リード選びのポイントと注意点です。
最初にちょっと豆知識
オーボエのリードとは?
オーボエという楽器は、楽器本体だけでは音が鳴りません。
楽器の先の部分にリードを差し込んで、そのリードを振動させて演奏する楽器です。
リードで音を出す楽器で思い浮かびやすいのは、クラリネットやサックスでしょうか。
これらはリード楽器ですが、シングルリード(一枚舌)です。
オーボエはダブルリード、つまり二枚舌で、2枚の薄く削った木を振動させます。
このダブルリードというのは、なかなかに繊細な歌口でして、、
多くのオーボエ吹きの悩みの種でもありますが、オーボエの魅力やおもしろさの一つでもあります。
今回の記事のテーマは”リード選び”
お店などで売っている完成リードから、どうやって自分に合った”良いリード”を選ぶか、です。
どれも同じ、じゃないの?
どれも同じだったら、楽なんだけどね、、
一本一本、違うのですよ。
そう、この完成リードは、一つ一つが手作りです。
削り方やチューブの種類など、リードの”型”は色々あり、製作者によって様々です。
さらに木の材質や作る過程の要因によっても仕上がりが変わってきます。
具体的には、音程、発音、吹奏感、音色などです。
でも、選ぶ時のチェックポイントがわかっていれば、初心者さんでも自分に合ったリードを選ぶことが出来ます!
リードの仕様について
リードの型や細かい仕様についてなどは、非常に奥が深く、マニアックな話になりますので、
ここでは、ごく簡単な紹介に留めます。
読み飛ばしていただいても構いません。
一番左にあるのが、完成リードですね。
完成リードの先端近くの赤マルで囲ったところが、リードが振動するように薄く削った部分で、
スクレープといいます。
このスクレープの削り方が、リードの性格を大きく左右します。
ライトにかざして見ると、どのように削られているかがわかって面白いですよ。
スクレープの長さはいろいろですが、日本ではおよそ10mm前後のスクレープのリードを吹く人が大半です。
完成リードの右隣にあるのがチューブです。
チューブの長さもいろいろあり、多く使われるのは、46mmと47mmです。
チューブが長く、リードの全長が長いほど音程が低くなり、短いほど高くなります。
例えば同じリードでも、楽器本体の性格や、吹き手のアンブシュアなどによって、音程が変わってくるので、
自分と自分の楽器に合った長さを選びます。
また、チューブのタイプも様々なものが作られています。
上から見た写真のように、先の部分の形は丸のものや楕円のものがあり、
下から見た穴の大きさにも違いがあります。
ただ、これらについては、豆知識として知っておくくらいで充分です。
初心者さんが実際のリード選びの際に気にする必要はありません。
リード選びの際のチェックポイント
さあ、いよいよ本題です。
リード選びの際のチェックポイントについて見ていきましょう。
どれが吹きやすいのかもよくわからないし、
鳴らすだけで精一杯だよ。。
うん、まずはリードをしっかりと鳴らせるようになることが重要だよ。
難しく考えず、次の2点に注意して選んでみよう。
hとcis(シとド#)が鳴るリード
前準備
- リードの先の部分(スクレープが隠れるくらいまで)を数分間水に浸け、湿らせる。
- リードの開き具合を見て、開きすぎている場合は、スクレープの部分を指で挟んで、中心の一番広い部分で1mm前後になるように調節する。(根元の部分は押さえないように!)
前準備ができたら、リードだけで音を鳴らします。
これがひとつ目のチェックポイントです。
リードだけで吹いた時に、「ラ」や「シb」など、低い音になるリードは、楽器につけても音程が低くなってしまいます。
ただ、鳴らしはじめの新しいリードは、吹いていくにつれて開きが落ち着いてきて、徐々に音程が上がってくる場合があります。すぐにハネずに、もう少し鳴らしてみたり、開きをみたり、馴染むまで少し時間をかけてみるといいでしょう。
逆に「ド」など高く出る場合は楽器につけても音程が高くなってしまいます。
このようなリードは、開きが少なすぎて息が入らなくなり、すぐに潰れてしまう可能性が高いので、避けましょう。
オーボエの高い方の音域を吹くときは、息圧を高め、アンブシュアも引き締めます。
「シ」と「ド#」のコントロールがしやすいリードは、楽器でも音程のコントロールがしやすいです。
*アンブシュアの引き締め方については、レッスンなどで直接指導してもらうことをお勧めします。
クローが鳴るリード
リードを鳴らしながら、だんだん深くくわえていくと、どこかのタイミングで「ピー」から「ビャー」、「ギュルギュル」といったような音に変わります。
この、複数の音程が混じり合ったような音のことを、クローといいます。
クローの鳴り方で、そのリードの振動の具合を知ることが出来ます。
よく振動しているかどうかは、リード選びの最重要ポイントです。
ということで、2つ目のチェックポイントは、
「ピー」という甲高い音しかならないリードは避けましょう。
リード選びの際の注意点
ところで、ゆるりはどうしてオーボエを始めたの?
それは、オーボエの音色に憧れて・・
みなさんがオーボエを始めたきっかけは、なんですか?
オーボエの魅力的な音色に憧れて、という人、多いのではないでしょうか。
もしきっかけは別でも、オーボエを吹いていれば、いい音色が出せるようになりたいと思うのは当然です。
オーボエの音色には、人の心に直接響くような、なんとも言えない魅力があるのですから・・
だからこそ書きますが、
これはオーボエ初心者さんには特に気をつけて欲しい注意点です。
なぜなら、オーボエを吹き始めて間もないうちは、まだ楽器をしっかり鳴らすためのアンブシュアや、身体の使い方を習得できていないからです。
みなさんがイメージする良い音色は、これらを習得していなければ、出すことはできません。
では、良くない音色とは、どんな音色でしょう。
チャルメラのような、ビャーと広がった音でしょうか?
初心者さんが、チャルメラを避けて、とりあえず落ち着いた静かな音色を求めてリードを選ぶと、
先ほどチェックポイントでご紹介した、よく振動するリードから、どんどん遠ざかっていきます。
豊かな音色を出せるようになるには、リードを支えるしっかりとしたアンブシュアとお腹の支えが不可欠です。
それらを身につけていくために、間違ったリードを選ばないことがとても重要です。
最初は恐竜のような音でも構いません。
よく振動するリードで、しっかりと息を吹き込んで、楽器を鳴らす!
これが上達への第一歩です。
最後に
リードの選び方 初心者編、いかがでしたでしょうか。
どんなリードで練習するかは、練習の充実度や、楽器の上達に大きく関わります。
もし師事している先生がいらっしゃれば、自分に合ったリードを選んでもらったり、用意してもらうのも
一つの方法です。
次回は、リードの選び方 中級者編を書きます。
また読んでいただけたら嬉しいです。
それでは、、