オーボエ

オーボエのタンギング練習法 フレーズを彩るタンギング奏法を習得しよう!

こんにちは!

オーボエに必要な奏法の一つ、タンギング。

音の始まりや、音を区切るときに使う奏法ですね。

タンギングを上手に使って、色々なアーティキュレーションを吹きこなすことで、

音楽表現にさまざまな表情をつけることができます。

ゆるり

確か、タンギングは、

小学校1年生の鍵盤ハーモニカの授業で、

初めて習ったなあ。

その後、3年生のリコーダーの時も、習ったよ。

あやこ

そうだよね。

でも、オーボエでのタンギングは、

それらの楽器でするより、少し難しいかもね。

オーボエの発音体はダブルリードです。

リードに舌先を当てたり離したりして、タンギングしますので、

普通に口で「トゥー、トゥー、トゥー」というよりも、難しいです。

本日は、重要なオーボエ奏法の一つ、タンギングについて、

練習方法と共に、ご紹介していきます。

オーボエのタンギングとは

例えば、リコーダーでタンギングをするとき、

「トゥー、トゥー、トゥー」

と、舌で息を区切りますね。

このとき、舌は上顎に当たりますよね。

舌を上顎に当て、「トゥー」と発音すると同時に、舌が離れます。

オーボエでタンギングするときは、

舌を、上顎の代わりに、リードに当てます。

そして、リードから舌を離した瞬間に、リードが発音して、音が鳴ります。

リコーダーでは、話すのと同じような感覚で、タンギングできますが、

オーボエの場合は、リードを発音させなければなりません。

つまり、オーボエのタンギングとは、リードを発音させることです。

リードの発音には、

身体の支え、息遣い、リードの状態などが関わってきます。

リードがきちんと発音するには、息圧が必要です。

タンギングした瞬間に、音を出すには、その前に息圧が既に準備されていないといけません。

リコーダーとオーボエのタンギングの大きな違いは、

オーボエには、”溜め”が必要なことです。

しっかりと”溜め”を作った状態で、

リードに当てた舌を離し、「トゥー」と発音します。

オーボエの発音については、こちらの記事で詳しく書いていますので、

よかったら参考にしてください。

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的確にリズムをきざめるか

タンギングの練習で、よく目にするのは、

以下のようなものではないでしょうか。

速さやリズムに応じて、正確にタンギングをする練習です。

まずは、四分音符=60など、遅めにテンポを設定して、練習してみます。

うまくいくようなら、徐々にテンポを上げていきましょう。

息の入れ方

この練習で、注意して欲しいのは、息の入れ方です。

タンギングをするごとに、息を入れ直すような形にならないようにしましょう。

息遣いは、ロングトーンをするときのように、一定にします。

川の流れ(息)が、タンギングする度に緩んだり止まったりしないよう、

一定のエネルギーを保って、真っ直ぐに流し続けます

流れを止めることなく、適切なタイミングでタンギングしましょう。

全部の音をテヌートで吹くイメージです。

また、常に一定の息圧があって、身体の支えができているようにしましょう。

リズムの切り替え

小節ごとにリズムが変わります。

テンポを自分の中でしっかり持って、小節ごとに正確に切り替えます。

メトロノームを使って構いませんが、自分の身体の中に、

テンポがちゃんと刻まれるようにしましょう。

音域による違い、舌の位置

譜面は吹きやすい、ラの音で書いてありますが、色々な音で練習しましょう。

音の高さが変わると、息の使い方、喉の開け方など違ってくるはずです。

低音の発音は遅れがちです。

低音で、速いテンポでタンギングするのは、特に難しいでしょう。

どんな息で、身体をどのように支えて吹けばいいのか、

繰り返し練習することで、自分でつかんでいきましょう。

舌の当たる位置

タンギングする際に、舌の、どの部分がリードの当たっているかも、

気にかけてみてください。

「トゥー」

「トー」

「ダー」

で、舌の当たる位置、喉の開き具合が変わりますね。

高音域は「トゥー」

中間から低音域は「トー」

最低音域(下のhやb) は「ダー」で、試してみてください。

低くなるにつれて、喉を開けて、息のスピードを緩め、

その分息圧が下がらないように気をつけ、お腹の支えを、より意識します。

指の動きとタンギングが合っているか

単音での練習ができたら、指を動かしていきましょう。

この譜面を、吹いてみてください。

上のようなパッセージの、タンギングの部分を吹くとき、

舌の動きと、指の動きは、連動しなければなりません。

両方が正確でないと、綺麗な表現になりません。

舌と指とがうまく噛み合わない場合は、まずは分けて練習してみましょう。

指の練習

指は、スラーで、ゆっくりから練習します。

一つ一つの音を、指に覚え込ませるような気持ちで吹きます。

指を高く上げすぎて、カクカクした感じにならないよう、

次の指への繋がりを意識して、指も、テヌートのイメージで動かしましょう。

符点など、リズムを変えて練習するのも良いです。

タンギングの練習

タンギングを個別で練習するときは、指の動きをとっぱらって

息遣いと舌つきのタイミングの練習にします。

上の譜面の場合、

というように、

舌の動きだけに集中して練習します。

ただ、この譜面だと、音が低くて難易度が高いので、

もう少し吹きやすい音域の音で練習しても良いでしょう。

指と舌の動きがそれぞれ正確にできるようになったら、

もう一度、最初の譜面を吹きます。

指と舌の動きはうまく噛み合いましたか?

そしたら、今度はこれに強弱をつけてみましょう。

強弱の差をあまり大きくつける必要はないので、

音の上がり下がりに合わせて、自然と膨らみをつけるような感じで、

フレーズ感を出していきましょう。

この練習では、スラーの後のタンギングの小節も、

まるでスラーのように滑らかに吹くようにイメージしましょう。

息遣いは、スラーもタンギングも同じようにします。

タンギングをしても、フレーズが壊さずに吹けるよう、練習します。

また、上の譜面は C-dur (ハ長調)の音階ですが、

G-dur (ト長調)、F-dur (ヘ長調)など、色々な音階で練習してみましょう。

フレーズ感を持ちながらタンギングできるか

タンギングが上手くなってきたら、こちらの楽譜に挑戦してみましょう。

手書きで見にくくて、すみません・・

ブレス記号のところでは、しっかりとブレスを取ります。

1拍で吐いて、もう1拍で吸って、合計2拍休むと良いでしょう。

これまでに書いた、

  • 的確にリズムをきざめるか
  • 指の動きとタンギングが合っているか

にくわえて、

  • 音の粒をそろえる
  • 響きをそろえる

を意識して、練習しましょう。

非常に難しいですが、

4小節のフレーズが、一本のラインのように美しくつながって聴こえるように

頑張って練習を重ねてみましょう。

曲の中では、さまざまなアーティキュレーションが出てきます。

スラーとタンギングを色々な形で組み合わせることで、フレーズを彩ることができます。

しかし、

タンギングのテクニックが未熟なために、

タンギングで、フレーズを壊してしまうことも、多々あります。

音の粒をそろえること、響きをそろえることは、

自然に美しくフレーズを吹くために、とても重要なポイントです。

これは、レガートでも難しいですが、タンギングでは、なお難しいです。

私が、ドイツに留学して、1番最初に出された課題が、上の楽譜です。

「音の粒をそろえて、一本のラインのように・・」

ひたすら練習したので、よく覚えています。

この練習をするときに、最も必要なことは、

聴くこと

これに尽きます。

タンギングは、毎日短時間でもいいので、練習時間を取ることで、

確実に上達します。

表現を邪魔しない、

表現をより引き立てるタンギング奏法の習得を目指して、

頑張りましょう!

響きの統一については、こちらの小話でも触れています。

小話は、気軽に読める内容になっていますので、

ぜひどうぞ! 

それでは・・

小話 ⁑初めて買ったオーボエのCDの話・・から発展したお話初めて買ったオーボエのCDは、ハインツ・ホリガーのバロック・オーボエ協奏曲集でした。思い出話からちょっと発展して、オーボエで表現すること、そのために必要な、響きを統一させること・・などについて、お話しています。...

POSTED COMMENT

  1. ごま より:

    タンギングで悩んでいたので、とってもためになりました。ひたすら練習するしかないことはわかっていたのですが、言語と楽譜に落とし込んで説明して頂いてることで、頭の中でタンギングに必要なことが何か整理することができました。ありがとうございます。

    • ayakoboe より:

      ごまさま
      コメントいただきありがとうございます!
      こちらの記事が、ごまさまの練習を充実させる手助けになれたのであれば、とても嬉しいです。
      タンギングは最初の段階で得意不得意がわかれやすいように思いますが、
      記事内にも書いておりますように、タンギングは、毎日短時間でもいいので、続けることで必ず上達します。応援しております。

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