オーボエ小話

小話 ⁑『クリスマス・オラトリオ』とオーボエ・ダモーレ

こんにちは!

一昨日の記事で、ドイツのアドベント(待降節)について、書きましたが、

私たちオーボエ吹きにとって、クリスマスの時期といえば、

なんといっても、バッハの『クリスマス・オラトリオ』でした。

ドイツ各地の教会で「クリスマス・オラトリオ」

ドイツでは、毎年クリスマスの時期になると、各地の教会でいっせいに、

この『クリスマス・オラトリオ』を演奏します。

オーケストラは大抵、地元の音楽家や音大生などの寄せ集めオケで、

私たちデトモルトの学生にも、演奏依頼が来ました。

クリスマス・オラトリオの演奏依頼が来ると、今年もクリスマスだなあと、実感したものです。

この曲では、オーボエだけでなく、オーボエ・ダモーレやオーボエ・ダ・カッチャ(現在のイングリッシュホルン)が使われています。

特にオーボエ・ダモーレは、ソリストによるアリアの助奏としてなど、活躍する場面がたくさんあります。

学生は、オーボエ・ダモーレを持っていないので、学校の楽器と、教授の楽器をお借りして、

みんなでうまく回しながら吹いていました。

先生が、楽器まで貸してくれるの?と思われるかもしれませんが、

こういったお仕事に対して、学校や先生は協力的で、時には仕事を紹介してくれたりもしました。

ドイツでは、クリスマス時期にかかわらず、教会での演奏会が多かったので、

特にオーボエの学生は、教会でのお仕事をよくいただきました。

こういった単発のお仕事をMugge(ムッケ)というのですが、

Muggeを通して学ぶことは多かったです。

現場での貴重な経験を積ませていただけるだけでなく、

ドイツの教会で、ドイツの人々とともに、文化を感じながら演奏することができたことは、

本当に有難かったと思います。

オーボエ・ダモーレ

さて、話が逸れてしまいましたが、

オーボエ・ダモーレ、みなさんご存知ですか?

オーボエと、イングリッシュホルンのちょうど中間くらいの大きさの楽器です。

オーボエ・ダモーレは、A管なので、オーボエよりも短3度低くなります。

イングリッシュホルンが、F管で、オーボエより完全5度低いので、

音域的にも、オーボエとイングリッシュホルンの中間くらいです。

イングリッシュホルンのように、ボーカルをつけて吹き、ベルの形は卵型です。

リードも、こんな感じで、中間くらいの大きさですね。

A管ということで、いつもC管のオーボエを吹いている身からすると、

音程の感覚が掴みにくく、また、楽器のクセなどもあったりして、

苦労した記憶もあります。

しかし、このオーボエ・ダモーレの魅力はすごかったです。

とりあえず、見た目、まず、可愛いです。

イングリッシュホルンのベルも卵型ですが、ダモーレの卵はまた、

小さくころんとあるのが、とってもキュートです。

そして、何よりも、その音色です。

ダモーレという、その名の通り、

なんともいえない、愛らしい音色です。

オーボエよりも、少し落ち着いてこもった感じに、独特の味のある響き。

もう何年も吹けていませんが、私は、大好きな楽器でした。

ですから私にとって、オーボエ・ダモーレが吹ける、この『クリスマス・オラトリオ』の演奏会は、

ちょっと特別なものでした。

あやこ

ああ、また、吹きたいな・・

続けて、バッハの『クリスマス・オラトリオ』について、

簡単に曲紹介をしたいと思ったのですが、思いのほか記事が長くなってしまったので、

曲紹介は、次の記事で!

それでは・・

あやこ

コメントもお待ちしております!

(下〜の方にあります)

コメントを残す