ドイツの思い出小話

小話 ⁑ドイツのアドベント(待降節)

こんにちは!

一気に冬の寒さがやって来た今日この頃ですね。

クリスマスが近づき、街がイルミネーションでキラキラしていると、

大人でもなんだかワクワクしてきます。

さて、みなさんはアドベントカレンダーって、聞いたことありますか?

私は、ドイツで7回クリスマスを過ごしました。

ドイツのクリスマスといえば? で、思い浮かぶものの一つに、このアドベントカレンダーがあります。

これは、クリスマス前に、子どもにプレゼントする特別なカレンダーです。

12月1日から24日まで、毎日ひとつづつ扉を開けていきながら、

クリスマスまでをカウントダウンします。

一つの扉に一つ、ギフトが入っていて、

クリスマスまでの毎日を、子供たちはウキウキしながら過ごすのです。

ドイツは、伝統的にキリスト教文化の国です。

アドベント(待降節)とは、クリスマス前の約四週間のことで、

ドイツでは、キリストが誕生した日を待ちわびながら、お祝いの準備をします。

一年の中で、街が最も華やかになる時期かもしれません。

そんなドイツでのアドベントの思い出話を少し、お届けします。

ドイツに留学して、最初の半年間は、ドイツ語学校に通っていました。

ドイツ語が全然できなかった私は、

最初のSemester(学期)は、ドイツ語を学ぶよう、大学から義務付けられたのです。

ドイツ語学校は、ビーレフェルトという町にありました。

私が住んでいたデトモルトという街から少し電車に乗ったところにある、大きな街です。

ドイツは10月から学期が始まるので、ドイツに来たばかりの私は、

すぐに、ドイツの寒さの洗礼を受けました。

まだ薄暗い、外に出た瞬間にジーパンが凍ったように冷たくなる、ドイツの朝。

デトモルトの駅まで歩き、電車に乗る毎日です。

ある日、いつものように電車に乗るべく、デトモルトの駅のホームに立ちました。

そこで、いつもと違う景色が、目に飛び込んできました。

向こうの方に、昨日まではなかった観覧車が見えるのです。

ある日突然、観覧車が立つなんて、私には信じられませんでした。

でも、確かに、ある日突然、観覧車はできたのです。

まもなくして、クリスマス前に突然ミニ遊園地ができるのは、ドイツでは普通のことだと知りました。

いわゆる、移動遊園地です。

デトモルトの市庁舎の前にある広場では、アドベントの期間、クリスマス市が開かれます。

その広場の一角にも、クリスマス前の短期間、小さな遊園地ができました。

ある日突然できて、ある日突然なくなるんです。

デトモルトのは、そんなに大きな遊園地ではありませんでしたが、

立派な乗り物がいくつか出来て、こんなものが一夜にしてできることに、驚きました。

クリスマス市。

これは、ドイツのクリスマスの代表的なイベントですね。

冬のドイツは日が短いので、夕方には暗くなり、クリスマス市のイルミネーションが輝きます。

たくさんの出店と、イルミネーションで彩られた市場。

大人も子どもも、このクリスマス市をぶらぶらと散歩しながら、クリスマス前の特別な時間を楽しみます。

私にとって、クリスマス市の醍醐味と言えば、あったかい Glühwein(グリューワイン)ですね。

グリューワインは、ワインに砂糖などの甘味と、シナモンやハーブなどを入れて温めたものです。

クリスマス市では、写真のような大きな釜で温めてあります。

シンと冷える空気の中、賑やかな人々とイルミネーションの明かりに包まれながら、

温かいグリューワインのグラスで手を温め、ふーふーしながら飲む。

ほっこりとあったかーい時間です。

アドベントとは、クリスマス前の約四週間ですが、

クリスマス前の日曜日を4回数えます。

曜日で決まるので、毎年違うのですが、今年2021年は、

第1アドベント(11/28,日曜日)、第2アドベント(12/5,日曜日)、第3アドベント(12/12 ,日曜日)、第4アドベント(12/19,日曜日)です。

第1アドベントが始まった日から、ドイツの人々は、クリスマスまでの特別な日々をカウントダウンして過ごします。

そして、クリスマスを迎えると、

全てのお店が閉まり、華やかだった街はシーンと静まり返ります。

人々は家で、家族との団欒の時間を過ごします。

昨年のクリスマス市は、コロナの感染拡大により、すべて中止になりました。

メルケル首相が、「祖父母と会う最後のクリスマスにしないで」と、国民に強く訴えたのが、昨年のクリスマスです。

今年は、一部中止が決まっている街もありますが、感染対策を講じながら、今のところ開催予定のところが多いようです。

私は、クリスマス前のドイツの街の空気に、想いを馳せながら、

また賑やかなクリスマス市を、人々が心置きなく楽しめる日が来るのを、

祈るばかりです。

コメントを残す