リード

小話 ⁑どこまでも続くよ、リードとのお付き合い。オーボエ吹きである限り・・

こんにちは!

オーボエ吹きにとって、リードはなぜ、それほどまでに大切なのでしょうか?

オーボエを吹いている限り、リードの悩みは尽きません。

そして、吹き手の成長は、リードと共にあります。

今日は、リードのお話に、お付き合いくださいませ。

リードのお話

「良いリードがある」

オーボエ吹きにとって、これほどの心の栄養剤はないでしょう。

良いリードが手元にある、という事実は、

私たちに、ふかふかの毛布に包まれたような安心感を与えてくれ、

つい鼻歌を歌いたくなるようなルンルン気分にだってさせてくれます。

本番前に、リードがない時・・

(もう、いくらでも出すから、リードが欲しい!)という気分になります。

リードに困っているオーボエ吹きから出る、灰色の煙のオーラはすごいです。

ゆるり

ちょっと話しかけられない・・

どうしよう・・

と、周りの人に思わせてしまうようなオーラです。

オーボエ吹きにとって、リードは、

その日の気分を、いとも自在に左右してしまう存在なのです。

さて、今日のオーボエ吹きの皆さんのご機嫌はどうでしょう?

「リードがないよ。」

「リード、できなくて・・」

「リードがないね。」「私もよ。」

はい、大抵これですよ、オーボエ吹きの間で交わされる会話といえば。

「リードがあってさ!」

「良いリードができちゃった・・!」

「リードはあるよ。」「私もよ!」

ああ、なんて素晴らしいんでしょう。

書いているだけで、ウキウキしてきちゃいますよ。

・・だって、こんな会話は、めったに聞けないんですから。

オーボエ吹きにとって、リードはなぜ、それほどまでに大切なのでしょうか?

リードは、単に”吹き心地”が良いか、悪いか、を左右するものではありません。

リードによっては、本来悩まなくていいことに悩んだり、

また逆に、

難しいはずの表現が、そんなに骨を折らなくてもすんなり出来てしまったり、

奏者の演奏を大きく変えてしまうことがあるのも、事実なのです。

私自身、今までの演奏経験を振り返ってみても、

自分と楽器の一体感を感じて、

記憶に残る位の気持ちの良い感覚で演奏できたのは、

やはり、吹きやすく、安心感のあるリードがあった時でした。

(もちろん、リード以外の大事なポイントは色々ありましたが、リードは欠かせない要素でした。)

「悪いリードは天才オーボエ吹きをも狂わせる」

という諺があるように(ほんとか?)、

リードの調子が悪いと、本来の演奏ができなくなります。

そして、良いリードは、表現を引き出してくれます。

オーボエ吹きが、リードにこだわるのは、無理もないでしょう。

リードへの要求の高まりと、厳しい現実

リードがあれば、もっとできる!

ということを知るにつれて、

リードに対する要求は高くなります。

大事な本番、シビアなフレーズ、などあれば尚更です。

求めるリードのハードルはどんどん高くなって、

「リードがありません」が、ますます増えていきます。

さあ、こうなってくると、

オーボエ吹きが幸せを掴むには、

スペシャルなリードをいつも手元に置けるよう努力するしかないのでしょう・・

・・いいえ、みんな努力はしているのです。

ただ、

世の中(オーボエ吹きの人生)は、そんなに甘くはないのです。

スペシャルなリードなんて、そうそうできるものではないのです。

私は、これまでにたくさんの数のリードを作ってきました。

おそらく、5桁に上っていると思います。

これだけ作っていれば流石に、

スペシャルなリード、ぽんぽん作れて良いと思いませんか?

残念ながら、そうはいきません。

悪いリードを作る確率を大きく減らし、

良いリードを作る確率を大きく上げることは出来ます。

ですが、

スペシャルリードは、何十本に一本しか出来ません。

なんてことでしょう。

難しいレシピの料理でも、

10000回練習すれば、スペシャルな味を極められそうではありませんか?

10000回練習したのに、何十回に一回しかスペシャルな味にならないなんて、

あるでしょうか?

そんなふうに思うのは、私が、料理のスペシャルを知らないからかもしれません。

今まで出会ったことのないような素晴らしい味を知ってしまったら、

今までのスペシャルな味は、もうスペシャルではなくなるかもしれないのです。

そもそも、スペシャルとは、どのレベルなのか。

スペシャルのハードルは、いくらでも上がって行けます。

スペシャルじゃなくても、その日の胃袋(練習)を満たせるリードは、

「良いリード」に入れてあげましょう。

「今あるリードで、吹くしかない」

師匠が言っていました。

結局、自分にとってスペシャルがあってもなくても、

ある中から、1番吹きやすいものをとって、吹くしかないのです。

なんだか、ちょっと

諦めた感を感じられてしまったかもしれませんが、

私は決して、後ろ向きなことを書きたいわけではありません。

むしろ、前向きに捉えてほしいと思っています。

実際、師匠のこの言葉で私は随分前向きになれました。

「今日は、このリードしかないから、上手く吹けないかも…」

ではなく、

「このリードで、精一杯の演奏をしよう!」と思えたからです。

いつも、リードがない!という泥沼にハマってしまわないように、

私がお勧めするのは、以下の二つのことです。

リードを吹きこなす意識を持って、自分の成長に繋げること

一つ目は、ある程度どんなリードでも吹きこなせるようになる(機能しているリードならば)こと。

これはとても大事なことです。

例えば、みなさんが悩みがちな高音の音程は、

リードにとってもらうのではなく、吹き手のコントロールが多かれ少なかれ必要です。

発音、強弱、音の処理については、リードが良ければ誰でも出来るわけではなく、

吹き手の意識と練習が不可欠です。

つまり、

吹き手の実力次第で、吹けるリードの幅は狭まったり広がったりするのです。

音色についても、

アンブシュアがしっかりしてくれば、ある程度自分で作ることが出来ます。

なんとなく、音色が好みでないから・・という理由で、

機能しているリードを、「吹けないリード」にしてしまうのは、

もったいないです。

リードをこちらが吹きこなす!という意識を持ち、

リードをコントロールする練習を積んでいくことで、

オーボエの技量が身に付いていき、吹けるリードは増えていくはずです。

スペシャルなリードとは

苦労せずに、楽に吹けるリードではなく、

吹き手が表現したいことに応えてくれるリードだということを、

忘れてはいけません。

そして、表現したいことが増えれば、

求めるリードもまた、変化していきます。

リード作りの探究、手直し技術で自分のリードを求めていくこと

リードを吹きこなす意欲を持ちつつ、

今の自分にとってのスペシャルなリードへの探究は、貪欲にいきましょう。

リードを自作している人は、

データを取るなどして、研究するのも良いでしょう。

リードを自作していない人も、簡単な手直しができるようになることを、

お勧めします。

例えば私にとってのスペシャルリードは、きっと多くの人にとって、スペシャルではありません。

また、リードはナマモノで、

今日スペシャルだったリードが、明日はスペシャルじゃなくなることも、

残念ながらあるのです。

自分が吹きやすいと思うように、自分で多少の調整をしたり、

開きや、息漏れなどの不具合を直せたりするだけでも、違います。

このブログでも、「リード」のカテゴリーで、

簡単なリードの調整についても書いていますので、

よかったら、参考にしてください。

最後に・・

ドイツに留学する少し前に、ドイツに旅行に行きました。

その時、知り合いのツテで、

ベルリンの、あるオーボエ奏者に、リードを習いに行くことができました。

ドイツに留学したいんです、という話をしたら、

「これ(リード作り)と、一生付き合わないといけなくなるよ。

覚悟はいいの?」

その時は、はい、と答えましたが、

その時の彼の言葉を、その後何度も噛み締めることになるのでした。

リード作りは、一生研究ですね。

どこまでも続くよ、リードとのお付き合い。

オーボエ吹きである限り・・・

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