リード

本日の手直し 

『本日の手直し』では、目の前にある一本のリードの問題点を見つけ、

どうしたいか、どうできるかを考えて、実際に試した結果までをお伝えします。

リードの手直しには、こうしたいときは、ここを削る、など、

メソッドは色々とあります。

ですが、

全く同じリードというものは存在しません。

手直しをするには、目の前の一本と、向き合うことが必要です。

ナマ物を相手に、上手くいく保証はありません。

少しずつ・・

削りながら、試しながら、ときには寝かせてみながら・・

本日の手直し、やってみましょう!

本日のリードについて

良い点
  • バランス良くきれいに削ってあり、素直に振動している
  • 楽な息で吹ける

問題点

材質が柔らかめであるため、

  • リードだけで鳴らした時に、h-cis-dis の、dis が出ない

(音程が上がれないのではなく、リードが潰れて、音が出なくなる)

  • 響きに芯が足りず、散った感じの音色

二つの問題点は、材質に起因していると思われます。

材質が柔らかいリードは、削りの際に、木を厚めに残しておかないと、

音程が崩れやすい、などの問題が起こりやすいです。

本日のリードは、削りすぎている部分がなかったので、

手直しの余地があります。

ここで、ワンポイントです。

disの音が出ないリードとは?


リードだけで鳴らした時に、dis の音を出そうとすると、リードが潰れて、音が出なくなるリードがあります。

材質が柔らかいリードに起こります。

dis が出ない理由は、

dim をする時や、ニュアンスをつけたい時など、

強い息圧をかけたり、アンブシュアを締めたりした際に、

リードが耐えられず、振動が止まってしまうためです。

また、dis が出ないリードは、第3オクターブキーを使う高音が出にくいです。

手直しの内容

息圧に対抗できるよう、リードにもう少し、パワーをつけてあげたいですね。

リードの先端を見ると、先端の形があいまいで、

なおかつ、片方の面だけ、先端の真ん中部分の厚みがかなり残っていました。

先端のもやもやした部分を、慎重に削って、

もう少しはっきり先端の形を作り、段差を出します。

また、残っていた片面の先端中央部分を、少し落とします。

キャリパーで測って、真ん中が10を切らないくらい、

サイドは8くらいにしました。

ちなみに、先端の形は、通常丸くし、材料が硬い場合は、サイドのカーブを

多くつけますが、

本日のリードは、材料が柔らかいため、ほぼ真っ直ぐで作っています。

結果

リードにチカラが出て、h-cis-dis も、問題なく出るようになりました。

これによって、柔らかいppで始まり、ppで終わることができるようになりました。

音色については、大きな変化は望めませんでしたが、

強弱や、表現のつけられる、軽めで吹きやすいリードです。

オーケストラや、本番などでは使用できないにしても、

基礎練をはじめ、充実した練習に役立つ一本ができました。

ゆるり

特にお気に入りの一本にはならなくても、

上達のための練習が、しっかり出来るリードが出来たよ!

次のリードも、お楽しみに!

それでは・・

『リード製作室』YURURIでは、

リード作りのための上質な素材を販売しております。

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