こんにちは!
「オーボエは、割れやすい楽器です。」
オーボエ初心者さんでも、もう頭に刷り込まれている言葉ではないでしょうか。
特に、念願の新しい楽器を購入した時などは、
「最初は特に割れに気をつけて、吹くのは1日30分までにしてくださいね。」
と、
楽器店の方に言い聞かされ、
ビクビクしたりしますよね。
本日は、オーボエの割れについて、お話します。
割れていないか調べる方法
中学校で吹奏楽部に入り、フルートを吹き始めた頃、
オーボエは割れやすいんだよ、という話を初めて聞きました。
私は思わず、オーボエが真っ二つにパカーンと割れる絵を想像して、青くなったのですが、
オーボエの割れというのは、いわゆるひび割れです。
小さくて浅い割れだと、すぐには気が付かないことも多いです。
オーボエの割れの有無を自分で調べる方法は、
- 目視で調べる
- 吸い付きを調べる
です。
目視で調べるとは、文字通り、
自分で楽器を観察して、割れていないかを確認する方法です。
ですが、オーボエには木目があり、木目に沿って割れるので、
ひびのように見えるものが、
木目なのか、割れなのか、判断に困る場合も多いです。
吸い付きを調べる(上管)
これは、上管でのみ試せる方法で、
よく、吸い付きが良い、吸い付きが悪い、といいます。
(割れは、上管で起こる場合がほとんどです)
深い割れや、トーンホールにかかる割れがあると、
そこからわずかに息が漏れたりします。
その漏れがないかを調べる方法です。
やり方は、
上管のキイやジョイントの部分を全てしっかりと塞いだ状態にします。
リードを挿す部分を口で塞ぎます。
上管の中の空気を吸います。
*この時、吸うにつれて、指がキイの方に吸い付けられる感じになります。
吸いながら、そのまま下唇をリードの差し込み口のところに当てると、
下唇が、差し込み口に張り付きます。
漏れがない楽器は、下唇がしっかりと張り付きます。
吸っても、中の空気が減っていく感じがなかったり、
スーッと抜けていく場合は、
割れていたり、
どこかのキイの閉まりが完全でなかったりする可能性もあります。
ただ、どちらの方法でも、
割れが小さく浅い場合などは、気づけなかったりします。
この場合は、楽器を吹いていても、特に不具合を感じられないのですが、
吹いているうちに、割れが進行していく可能性があります。
割れって、どうやって直すの?
リペアに持っていくと、割れはすぐに直してもらえます。
どうやって直すか、ご存知ですか?
割れてしまったところは、元に戻すことは出来ないので、
直すというより、塞ぐという方法で修理します。
アロンアルファなどの、なるべくサラサラの接着剤を、
割れの部分に流し込んで埋めるのです。
きれいに流れ込むように、接着剤はなるべくサラサラのものが良いです。
小さなスポイトや、細かい部分は針などを使って、割れの部分に入れます。
接着剤の染み込み具合で、割れの深さがわかります。
リペアの方は、接着剤を流し込んだ後、
はみ出た分などもきれいに取り除いてくれるので、
修理の跡はほとんどわからなくなります。
割れは自分で直せるの?
割れは、上のような方法で直しますので、
自分でやることも、可能ではあります。
私はドイツにいたとき、何回か自分で直しました。
近くにリペアの方がいらっしゃるお店がなかったからです。
割れたまま吹き続けると、割れが広がってしまう可能性があリます。
そのため、遠くの街まで楽器を持っていく時間がなく、
楽器を吹かなければならない時は、
応急処置的に、自分で直していました。
ただ、割れがトーンホールにかかっている場合は、
自分ではやらない方が賢明です。
トーンホールはデリケートな場所です。
直した箇所が平らでなくなると、
キイがきちんと閉まらなくなったりすることも考えられます。
また、
自分で直すと、
直した部分に接着剤の痕が残ってしまいます。
こういったことから、
どうしても修理に持っていく時間がなく、楽器を吹かないといけない場合等を除いては、
速やかに専門家にお任せした方が良いですね!
楽器が割れたらどうなるの?
大切な楽器、
割れないように割れないように、気をつけたいですよね。
でも、割れてしまったからといって、
そんなに悲観することはありません。
最近の楽器は、昔と比べて、随分と割れにくくなりましたね。
私がオーボエを始めた頃は、
オーボエは、割れて当たり前、くらいの感じでした。
むしろ、「いい楽器ほど割れる」とか、
「割れたくらいが、緊張感が抜けて、響きが良くなる」
なんて聞いたこともあります。
これに関して、真偽の程はわかりませんが、
余程ひどい割れ方をしたり、
割れた場所が悪かったりしない限りは、
心配しなくて大丈夫です。
オーボエ専門のリペアの方に直していただければ、
しっかり塞いで、後も残らないようにしてくださいますよ。
定期的に楽器を調整に出したり、
日頃からよく楽器を観察したりすることで、
もし割れてしまった場合でも、早期に発見できると良いですね。
『冷えと乾燥にご注意を!』の記事でも少し触れましたが、
寒い季節は、楽器も冷たくなりますので、
吹く前に、外側から手で楽器をよく温めるようにしましょう。
息を吹き込んで温めるのは、
ダメだったよね!
それから、吹き終わった後の水抜きを、しっかりと。
楽器に水分を残した状態で片付けてしまわないように、気をつけましょう。
冬場は水が溜まりやすいから、
スワブを通すだけじゃなくて、
ブルブルいったキイは、必ずピンポイントで
水抜きしましょう。
ピンポイント水抜きの仕方がわからない方は、
こちらの記事もどうぞ!
まだまだ寒い日々が続きますね。
みなさま、どうぞご自愛ください。
楽器もね!
それでは・・