こんにちは!
今日は、タンポやコルクがベタついて、キイが上がらない、
または上がるのが遅れる場合の、対処法についてご紹介します。
オーボエのキイが上がらない原因
まず、オーボエのキイが上がらなくなる原因として、
- バネがはずれた、サビなどにより動きが鈍くなった、など楽器のメカニックの不具合によるもの
または、
- キイが湿気によりベタついて、張り付いてしまう、タンポやコルクの不具合によるもの
があります。
本日は、後者の、湿気によるベタつきが原因の場合について、対処法をご紹介していきます。
後者は、キイが張り付いて上がりにくい様子が見て取れるので、
原因がどちらか判断するのは、難しくないでしょう。
キイがベタついて上がらないときの対処法
張り付きやすいキーは、楽器をケースにしまっているときに、閉まった状態になるキイです。
湿気が原因で、ベタついているのであれば、湿気を取り除く必要があります。
練習の後、楽器をしまう前に、以下のことをしましょう。
- しっかりスワブ、またはハネを通す。
- 第1、第2オクターブキイ、その他水が溜まりやすいキイを、ピンポイントで水抜きする。
- クリーニングペーパーを使ってタンポやコルクに残った水分はしっかりとっておく。
- 張り付いてしまうキイを、開いた状態にしておく。(下の写真参照)
- 湿度が高くなりやすい部屋や場所に、置かない。
ピンポイントで確実に水抜きをする
リスト二つ目にある、ピンポイントで水抜きをする、は、とても重要です。
キイに水が溜まっている場合、スワブを通しただけでは、水は抜けません。
ピンポイントの水抜きについては、こちらの記事に詳しく書いていますので、よかったら参考にしてください。
張り付いてしまうキイは、開いた状態にしておく
楽器をケースにしまう際、張り付いてしまうキイを開いた状態にしておくことで、湿気を逃してあげましょう。
キイを開いた状態にするには、何かを挟んだり、輪ゴムを使ったりするといいです。
例えば、下の写真の1️⃣の小さな二つのキイは、水が溜まりやすいうえに、ピンポイントで水抜きがしにくいため、ベタつきのトラブルが起きやすいキイです。
これらは、①の場所に、紙などを挟んで、上げることができます。
①のところに紙などを挟むと、四角1 の小さいキイ二つが開きます。
こういう感じで挟みます。
次の写真は、輪ゴムを使って、青マルのトリルキイを上げた様子です。
輪ゴムを使って、赤マルのキイを矢印の方に引っ張った状態で、引っ掛けて止めます。
青マルのキイが開きます。
こういった方法で工夫し、張り付いたキイを上げておきましょう。
*輪ゴムなどが、タンポやコルクに当たって傷つかないように、気をつけて行いましょう。
その場で改善させたい時の応急処置
とりあえず、その場でキイが上がるようにしたい場合、応急処置として、
パウダーペーパーを使う方法があります。
上がらないキーの水分を、まずクリーニングペーパーできちんと取り除いてから、
パウダーペーパーを使います。
なお、クリーニングペーパーや、パウダーペーパーを使う際の注意点は、
です。
もし、手元にパウダーペーパーがなく、緊急の場合は、
鉛筆の芯の部分を削って粉にし、クリーニングペーパーなどに乗せて
タンポに着くように噛ませる、という裏技もあります。
ただしこの方法だと、当然のことながら、タンポが黒くなります。。
もし、この応急処置で、キイが上がるようになったとしても、
あくまで応急処置ですので、
楽器をしまうときにやるべき対処法は、必ずやりましょう。
危険信号が出たら、予防しよう
キイが上がらなくなってしまったら、練習でもストレスですし、
上記の対処法でも、改善しない場合もあります。
ベタつきが顕著に現れる前に、予防できると良いでしょう。
キイを動かすときに、ペタペタと音がしたら、黄色信号です。
上がらなくなる前に、対処法を実行して、予防しましょう!
湿気が原因でなく、食い込んで上がらない場合
たまに、ベタつきが原因ではなく、キイを下ろした状態の時に、
タンポやコルクが食い込んで、上がらなくなっていることがあります。
この場合は、タンポを変えたり、コルクを変える、または削ったりしなければなりませんので、
リペアの方にお願いしてください。
また、湿気によるべたつきも、対処法により改善しない場合は、
リペアにお任せしましょう。
最後に
日本は、季節による湿度の差が激しいですよね。
春先あたりから、段々と上がってきて、梅雨、夏場は蒸し蒸し。。
湿度が高い状態は、秋口くらいまで続きます。
デリケートなオーボエという楽器がヘソを曲げないように、
楽器の管理も気をつけていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは・・