オーボエ

音程が高くなるのはどうして? 原因と対処法

こんにちは!

オーボエを吹いていて、うまくいかないとき、

はたして悪いのは、自分なのか、リードなのか、

はたまた楽器なのか・・

わからなくなることが、多々あるのではないでしょうか。

音程が高くなる原因は、おおかた、リードか、アンブシュアにあります。

今日は、音程が高くなる、という問題について、

考えられる原因と対処法をご紹介したいと思います。

*特定の音でなく、全体的に高い場合について、書きます。

リードに原因がある

人それぞれ、骨格、唇、息圧などに違いがあります。

同じリードでも、吹き手によって音程も変わってきます。

まず、リードが自分に合っているかをチェックしましょう。

以前、リードの選び方を習熟度別にご紹介しました。

良いリードとは?オーボエリードの選び方 初心者編良いリードとはどんなリードなのか?初心者がリードを選ぶときに気をつけたいポイントを紹介します。自分に合ったリードを選ぶことで、練習の質が上がり、より楽器を楽しむことが出来ます。...

そのときも書いたように、

以下の項目は、重要なポイントです。

音程に影響する、リードのチェック項目

① リードの開き具合はどうか

② 豊かなクローがなるか

③ リードだけで吹いて、無理なく h-cis(シ-ド#)が鳴るか

この三つの項目は、相互的に作用します

例えば、開きの状態は、クローの鳴りや、

リードだけで鳴らした時の音の高さに、影響します。

順番としては、開きの具合と、豊かなクロー、をクリアした上で、

h-cis(シ-ド#)が鳴るか、をチェックすると良いでしょう。

具体的に説明していきます。

リードの開きが小さすぎて音程が上がる

リードの開きが小さすぎると、音程が上がりやすくなります。

最初は、ちょうど良い開きのリードでも、吹いていくうちに、

開きは小さくなっていくことが多いです。

開きが小さすぎることで、リードが充分に振動しなくなるのも、

音程が上がる原因です。

開きをつける手段の一つとして、以前ご紹介した、

針金を使う方法があります。

リードの開きの調整法 ② 息の入らないリードの調整開きがぺたんこになって、息が入りづらいリードの調整方法を、ご紹介します。この記事では、針金を使った方法を、わかりやすく丁寧に書いています。...

また、開きは吹くうちに落ち着いてくるものですので、

最初は、ある程度の開きのあるリードを選んだ方が良いでしょう。

また、材料が柔らかいリードも、潰れやすいので、

材料に適度なハリがあるか、を見て選ぶと良いでしょう。

材料のハリの強さ(弱さ)は、リードを湿らせた状態で、両サイドを指で押したときの、

 材料のしなり具合で、ある程度判断することができます。

*絶対に湿った状態でチェックしましょう。

乾いた状態でやると、ハリのある材料ほど、景気良くパキンと割れます。

クローがならない、または高い音のクローしか鳴らなくて音程が上がる

クローとは、リードを深くくわえて鳴らした時に鳴る、ブルブル、ギュルギュル、といった音のことです。

良く振動しているリードは、このクローが豊かに鳴ります。

そして、クローの音は、高い音から低い音までが混ざっているのが理想です。

高い音だけのクローだと、振動が硬かったり、振動が充分でなかったりして、

音程が上がる原因になります。

開きが狭いことが原因で、クローが鳴らなくなっている場合は、

先程の、針金を使って開きをつける方法で、振動が復活させることが可能です。

開きが正常なのに、良いクローがならない場合は、

ナイフを使って、全体を撫でるように、ごく軽く削ったり、

クローの鳴り方によっては、ピンポイントで削ったりすることで、

振動の具合を調整できます。

ナイフを使った調整方法については、今後の記事で、

目的別にご紹介したいと考えています。

また、小羽根でリードの中を掃除してあげることで、

振動が良くなることもあります。

リードだけで、c(ド)以上の高い音が鳴るリードは音程が高く出る

開きと、クローが良い状態で、リードだけで、鳴らしてみましょう。

五線の中に入っているような、中間音域を吹く時のイメージで、

お腹とアンブシュアの支えができた状態で、リードだけでしっかりと鳴らします。

大体、h(シ)の音が無理なく出るかを目安にします。

五線からはみ出る高音域を吹くときは、cis(ド#)が目安ですので、

この、h-cis(シード#)のコントロールがしやすいリードは、音程も安定します。

どのような息圧、アンブシュアで吹けば、h(シ)が出るかは、

リード一本一本、少なからず違いがあります。

同じリードでも、日によって違うこともあるでしょう。

練習を始める前に、リードだけで吹いて、hーcisの出方をチェックすることで、

そのリードの音程の出方を知ることができます。

これも、音程を安定させる手段の一つです。

しかし、無理に息圧を弱めたり、アンブシュアを弱めたりしないと

音程が上がってしまうリードでは、正しい奏法で演奏することができません。

この場合は、リードを抜いて、音程を下げる方法の方が良いでしょう。

リードの部分を、少し抜きます。

抜きすぎると、全体のバランスが狂うので、抜いても5mm程度までにします。

また、リードの部分だけでなく、ベルの部分もわずかに抜くと良いでしょう。

アンブシュアに原因がある

アンブシュアは、オーボエを吹くうえで、大変重要な要素です。

一人一人、骨格や歯並び、唇の厚さなど、さまざまですので、

自分で見つけていく部分も多く、難しいですが、

アンブシュアの基本の形は、

”お”の口の形をして、上下の唇を巻き込み、リードを唇で包み込みます。

この口の状態を維持するには、

支える口の周りの筋肉が必要です。

長く吹いていると、口が疲れて、巻いた唇が戻ってきてしまい、

筋肉で支えられずに、噛んでしまう。

こうなると、リードはあっという間につぶれて、音程が上がります。

リードを噛んだ状態でずっと吹いていると、

どんなリードでも開きがぺたんこになり、機能しなくなってしまいます。

そして、余計に音程が上がってしまいます。

アンブシュアが疲れてきたら、一度吹くのをやめて、

少し休んでから、再度、良いアンブシュアで始めましょう。

練習を続けていくうちに、口の筋肉は少しずつ、ついてきます。

アンブシュアが出来てくる前に、噛んでしまう癖がつかないように、

気をつけましょう。

高い音域を吹いたり、ディミヌエンドしたり、音をきれいに終わらせたり・・

こういった表現をするときに、

お腹の支えや、息圧などのコントロールに加えて、

アンブシュアを引き締めます。

アンブシュアを引き締めるときも、先程の写真のように、

中心の向かって引き締めることが大切です。

決して、上下に噛むような形にならないように、練習しましょう。

音程は楽器によって個体差もある

以上の内容を踏まえた上で、

楽器によって、音程に差があることも、知っておきましょう。

削り方にもよりますが、基本的には、

リードのチューブの長さが短い方が、音程が高くなります。

市販のリードは、46mmのチューブが多いですが、

音程が高くなりがちな人は、47mmのチューブを試してみるのも良いでしょう。

最後に

ひと昔前は、オーボエは、マテリアルを揃えることが、まず難しいような楽器でした。

どう頑張っても、明後日の方向の音程しか出ない・・などという楽器と、

全然振動しないようなリードで、苦労しながら楽器を吹いている、という人も、

珍しくありませんでした。

ですが、最近は楽器は改良が進み、どのメーカーの楽器も、以前と比べて格段に安定しています。

リードも、多くの種類の、質の良いリードが、お店で手に入るようになりました。

良い楽器と良いリードがあれば、オーボエは難しい楽器ではありません。

自分に合ったマテリアルを選び、維持する術を知って、

楽器をより楽しめるといいですね!

このブログでも、皆さんのお役に立てる情報を、

少しでも多くお伝えできたらと思っています!

それでは・・

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