こんにちは!
オーボエを吹いていて、うまくいかないとき、
はたして悪いのは、自分なのか、リードなのか、
はたまた楽器なのか・・
わからなくなることが、多々あるのではないでしょうか。
音程が高くなる原因は、おおかた、リードか、アンブシュアにあります。
今日は、音程が高くなる、という問題について、
考えられる原因と対処法をご紹介したいと思います。
*特定の音でなく、全体的に高い場合について、書きます。
リードに原因がある
![](https://i0.wp.com/yururi-to-oboe.com/wp-content/uploads/2021/07/unnamed-file-1.jpeg?resize=500%2C333&ssl=1)
人それぞれ、骨格、唇、息圧などに違いがあります。
同じリードでも、吹き手によって音程も変わってきます。
まず、リードが自分に合っているかをチェックしましょう。
以前、リードの選び方を習熟度別にご紹介しました。
![](https://i0.wp.com/yururi-to-oboe.com/wp-content/uploads/2021/06/Studiokonzert-Oboe.jpeg?resize=300%2C180&ssl=1)
そのときも書いたように、
以下の項目は、重要なポイントです。
① リードの開き具合はどうか
② 豊かなクローがなるか
③ リードだけで吹いて、無理なく h-cis(シ-ド#)が鳴るか
この三つの項目は、相互的に作用します。
例えば、開きの状態は、クローの鳴りや、
リードだけで鳴らした時の音の高さに、影響します。
順番としては、開きの具合と、豊かなクロー、をクリアした上で、
h-cis(シ-ド#)が鳴るか、をチェックすると良いでしょう。
具体的に説明していきます。
リードの開きが小さすぎて音程が上がる
リードの開きが小さすぎると、音程が上がりやすくなります。
最初は、ちょうど良い開きのリードでも、吹いていくうちに、
開きは小さくなっていくことが多いです。
開きが小さすぎることで、リードが充分に振動しなくなるのも、
音程が上がる原因です。
開きをつける手段の一つとして、以前ご紹介した、
針金を使う方法があります。
![](https://i0.wp.com/yururi-to-oboe.com/wp-content/uploads/2021/07/開きの付け方.001.jpeg?resize=320%2C180&ssl=1)
また、開きは吹くうちに落ち着いてくるものですので、
最初は、ある程度の開きのあるリードを選んだ方が良いでしょう。
また、材料が柔らかいリードも、潰れやすいので、
材料に適度なハリがあるか、を見て選ぶと良いでしょう。
材料のハリの強さ(弱さ)は、リードを湿らせた状態で、両サイドを指で押したときの、
材料のしなり具合で、ある程度判断することができます。
*絶対に湿った状態でチェックしましょう。
乾いた状態でやると、ハリのある材料ほど、景気良くパキンと割れます。
クローがならない、または高い音のクローしか鳴らなくて音程が上がる
クローとは、リードを深くくわえて鳴らした時に鳴る、ブルブル、ギュルギュル、といった音のことです。
良く振動しているリードは、このクローが豊かに鳴ります。
そして、クローの音は、高い音から低い音までが混ざっているのが理想です。
高い音だけのクローだと、振動が硬かったり、振動が充分でなかったりして、
音程が上がる原因になります。
開きが狭いことが原因で、クローが鳴らなくなっている場合は、
先程の、針金を使って開きをつける方法で、振動が復活させることが可能です。
開きが正常なのに、良いクローがならない場合は、
ナイフを使って、全体を撫でるように、ごく軽く削ったり、
クローの鳴り方によっては、ピンポイントで削ったりすることで、
振動の具合を調整できます。
ナイフを使った調整方法については、今後の記事で、
目的別にご紹介したいと考えています。
また、小羽根でリードの中を掃除してあげることで、
振動が良くなることもあります。
リードだけで、c(ド)以上の高い音が鳴るリードは音程が高く出る
開きと、クローが良い状態で、リードだけで、鳴らしてみましょう。
五線の中に入っているような、中間音域を吹く時のイメージで、
お腹とアンブシュアの支えができた状態で、リードだけでしっかりと鳴らします。
大体、h(シ)の音が無理なく出るかを目安にします。
五線からはみ出る高音域を吹くときは、cis(ド#)が目安ですので、
この、h-cis(シード#)のコントロールがしやすいリードは、音程も安定します。
どのような息圧、アンブシュアで吹けば、h(シ)が出るかは、
リード一本一本、少なからず違いがあります。
同じリードでも、日によって違うこともあるでしょう。
練習を始める前に、リードだけで吹いて、hーcisの出方をチェックすることで、
そのリードの音程の出方を知ることができます。
これも、音程を安定させる手段の一つです。
しかし、無理に息圧を弱めたり、アンブシュアを弱めたりしないと
音程が上がってしまうリードでは、正しい奏法で演奏することができません。
この場合は、リードを抜いて、音程を下げる方法の方が良いでしょう。
リードの部分を、少し抜きます。
抜きすぎると、全体のバランスが狂うので、抜いても5mm程度までにします。
また、リードの部分だけでなく、ベルの部分もわずかに抜くと良いでしょう。
アンブシュアに原因がある
アンブシュアは、オーボエを吹くうえで、大変重要な要素です。
一人一人、骨格や歯並び、唇の厚さなど、さまざまですので、
自分で見つけていく部分も多く、難しいですが、
アンブシュアの基本の形は、
”お”の口の形をして、上下の唇を巻き込み、リードを唇で包み込みます。
![](https://i0.wp.com/yururi-to-oboe.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_1198.jpg?resize=549%2C412&ssl=1)
この口の状態を維持するには、
支える口の周りの筋肉が必要です。
長く吹いていると、口が疲れて、巻いた唇が戻ってきてしまい、
筋肉で支えられずに、噛んでしまう。
こうなると、リードはあっという間につぶれて、音程が上がります。
リードを噛んだ状態でずっと吹いていると、
どんなリードでも開きがぺたんこになり、機能しなくなってしまいます。
そして、余計に音程が上がってしまいます。
アンブシュアが疲れてきたら、一度吹くのをやめて、
少し休んでから、再度、良いアンブシュアで始めましょう。
練習を続けていくうちに、口の筋肉は少しずつ、ついてきます。
アンブシュアが出来てくる前に、噛んでしまう癖がつかないように、
気をつけましょう。
高い音域を吹いたり、ディミヌエンドしたり、音をきれいに終わらせたり・・
こういった表現をするときに、
お腹の支えや、息圧などのコントロールに加えて、
アンブシュアを引き締めます。
アンブシュアを引き締めるときも、先程の写真のように、
中心の向かって引き締めることが大切です。
決して、上下に噛むような形にならないように、練習しましょう。
音程は楽器によって個体差もある
![](https://i0.wp.com/yururi-to-oboe.com/wp-content/uploads/2021/07/なみはりねずみ日記-1.png?resize=567%2C567&ssl=1)
以上の内容を踏まえた上で、
楽器によって、音程に差があることも、知っておきましょう。
削り方にもよりますが、基本的には、
リードのチューブの長さが短い方が、音程が高くなります。
市販のリードは、46mmのチューブが多いですが、
音程が高くなりがちな人は、47mmのチューブを試してみるのも良いでしょう。
最後に
ひと昔前は、オーボエは、マテリアルを揃えることが、まず難しいような楽器でした。
どう頑張っても、明後日の方向の音程しか出ない・・などという楽器と、
全然振動しないようなリードで、苦労しながら楽器を吹いている、という人も、
珍しくありませんでした。
ですが、最近は楽器は改良が進み、どのメーカーの楽器も、以前と比べて格段に安定しています。
リードも、多くの種類の、質の良いリードが、お店で手に入るようになりました。
良い楽器と良いリードがあれば、オーボエは難しい楽器ではありません。
自分に合ったマテリアルを選び、維持する術を知って、
楽器をより楽しめるといいですね!
このブログでも、皆さんのお役に立てる情報を、
少しでも多くお伝えできたらと思っています!
それでは・・